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monologue #2



何年かぶりに父親のことを人に話した。






「赦せたの?」という問い。


離別したとき、私はまだ9歳で、事の子細を知らないからこそ、
綺麗な思い出のままでいられた。
母にしてみれば、思い出したくもないことだろうが、
別に恨み・憎しみもないから、赦すという概念もない。

ただ、家族がバラバラになってしまうことが悲しかった。
あとは、姉が泣いていたから、私はずっと彼女の傍にいようと思った。
そして父親に向くはずだった感情を、母にぶつけるようになった。


2000年、高3の秋。
訃報が届いた。
舞鶴で倒れた、と。

当時の自分にとっては遠い距離だったから、
舞鶴で荼毘に付した後、実家での葬式のみ足を運んだ。
訃報を聞いた直後は泣かなかったけれど、
担任への忌引報告で「亡くなったので」と口に出した瞬間、
自然に目頭が熱くなったのを覚えている。

今にして思えば、学校なんて休んでしまって、
ちゃんと最後の顔を見に行けばよかった、と後悔している。


その3年後くらいだったか。
彼の負の遺産の後始末をすることになり、当時のことを少しだけ聞いた。
母にぶつけていた感情も、このあたりでリセットできたように思う。
あぁ、この人ずっと守ってくれてたんだ、と。
私たちの名前ごと丸ごと。


そろそろ11回目の秋が来る。

彼がいなけりゃそもそもこの世に生まれてもいないし、
私の中の先天的な感性は、確実に彼から受け継いでいる、
と勝手に思っているし、
20年前のあの離別がなければ、今の私も存在していない。
忘れていそうで、決して忘れることのない存在。

今もし生きていたら、何を話すんだろうな。


**

滅多に話すことのないルーツ。
話す気になったのは、自分にとって切ってはならない人だったからだろう。
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